ご機嫌いかがですか?
高齢者といえどもテレビ離れが進み(YouTube視聴はシニア世代が多いらしい)、インターネット環境はなくてはならないインフラのひとつになっています。
皆さんは、現在契約しているインターネット回線に不満はないでしょうか?

インターネットが遅いんだけど、古いマンションだからかなあ?
最近、インターネット回線を変更してとても快適になったので、同じような環境の方の参考になればと思い、記事にしました。
- マンション内のインターネット回線が遅くて不満
- マンション内の自室までが電話回線になっている
- 自室まで直接光ファイバーを引き込むことが難しい
- 「G.fast」という技術に興味がある
本記事で紹介する回線サービスはベストエフォート型のため、記載している速度は技術規格上の最大値であり、実使用速度を示すものではありません。利用する環境や回線状況などにより大幅に低下する場合があります。
古いマンションのインターネット環境は?
最近の新築マンションのほとんどには、当たり前のように高速の光回線が導入されています。
現在住んでいるマンションは、新築時に分譲で購入してから30年を超えています。このような古いマンションの場合は、新築時に光回線など存在していたはずもなく、普通の電話回線しかありませんでした。いわゆる、銅線というメタルの線です。
マンションはネットワークが共用設備となるため、個人で勝手にインターネット回線を引き込むことができません。光回線を利用したい場合は、管理組合の議決を得て新しい設備を導入する必要があります。
マンションに光回線は導入されたけれど…
当マンションはそこそこの契約希望者がいたため、比較的早い段階で(多分2005年くらいには)NTTの光回線※が導入されました。マンションの回線設備の敷設費に関しては、すべてNTTが負担するために不要でした。
光回線の通信速度は最大100MBでしたが、その後、YouTubeのような動画視聴が普及するに連れ、最大1ギガのサービスにアップデートされました。
現在は、ISDNやADSLといったアナログ回線のネットワークサービスが既に終了しているので、ここまではどんなに古いマンションでも対応が済んでいることと思われます。
光回線の恩恵は途中まで
さて、ここからが問題です。
築年数が古いマンションは、各戸までの配線も電話回線です。
つまり、電柱からマンション建物内までは光ファイバーケーブルで接続し、マンション内の共用スペースから各戸までは、既存の電話回線を利用してインターネットに接続するという形になります。
ですので、せっかく通信速度が最大1ギガという回線が導入されていても、実際に使用する際の通信速度はアナログ回線同様の最大100MBに制限されてしまうという、残念な結果に終わってしまうんですね。



くやしいけど仕方がないのか…
この接続方式は、「VDSL方式」と呼ばれます。
このようなマンション環境の方は、まだまだ多いのではないでしょうか?
ちなみに、最近のマンションのような各戸の居住スペースまで光ファイバーが配線されている『光配線方式』の場合は、室内の光コンセントにルーターを接続することで、光回線で直接インターネットに接続し、最大約1ギガの通信速度の恩恵を受けられます。
VDSL方式の限界が迫りつつある?
もちろん、最大100MBの通信速度であれば、インターネットでメールや画像のやり取り、ホームページの閲覧、小容量の動画閲覧などであれば、ストレスを感ずることはないでしょう。
しかし、VDSL方式は1本の光回線を何戸かで共有するため(マンションプランによって共有戸数は変わります)、利用者が多い夜間や契約加入者数が増えたりすると回線が混み合い、通信速度が不安定になります。
当マンションでも、契約者が増えるに連れて、さらに、インターネットTVでの動画視聴やオンラインゲーム(僕には関係ありませんが)をする人が多くなったりと、徐々に回線速度が遅くなってきました。
解決方法を考えてみた
ここまでのことを、整理してみましょう。
現状
- マンションの共用スペースまでは最大1ギガの光回線でインターネット接続済み
- 共有スペースから各戸までは電話回線を利用
- 各戸内はVDSL方式で接続(アナログ回線をデジタル通信に変換)
- 契約個数の増大、大容量の動画視聴、オンラインゲームなどにより回線混雑が進む
要望
- できれば光回線に直接接続したい
- 少しでも通信速度をアップしたい
- 安定したインターネット接続を確保したい
解決するために検討した結果
1.できれば光回線に直接接続したい
マンション内共用スペースから各戸までの配線を光ファイバーに変更する、これが最も理想的な解決方法です。
しかし、とてつもなく大掛かりな回線工事と費用が必要になります。
過去のマンション大規模修繕の際に議題に出たことがあったのですが、費用面や各戸の負担(工事のための拘束時間や自己負担金)などの問題、まだそれほど需要がない、などの理由で見送りになってしまいました。
資産価値の向上にもつながるため、次回の大規模修繕では本格的に検討する可能性もあります。
では、外から自宅まで直接光ファイバーを引き込めないか?
これも希望する居住者が何戸かあったため、検討されたことがありました。
結論として、電柱からの引き込みによりマンション外壁に傷をつけたり障害物を設置することになってしまうため、却下されています。
2.少しでも通信速度をアップしたい
光回線のような有線接続はあきらめ、NTTドコモの『home 5G』や『SoftBank Air』などのモバイルネットワークを利用する5Gルーターを検討しました。
ただし、接続が不安定、パソコンへの接続が面倒、通信制限がある、など制約が多く、固定設置で使用するには現実的ではないと判断しました。
3.安定したインターネット接続を確保したい
いくら通信速度が上がっても、安定した接続ができなければ意味がありません。
電話回線のVDSL方式で少しでも通信速度が上がる方法は他にないものか、と調べてみると、「G.fast(ジーファスト)」という技術があることがわかったので、これを検討することにしました。
「G.fast」のソリューションイメージ


NTT『フレッツ光』からKDDI『auひかり』へと回線変更
「G.fast」は、集合住宅で既存の電話回線を利用して、光回線並みの高速通信(1Gbps程度)を実現する技術です。
現段階で主にサービスを提供している通信会社はKDDIで、auひかりマンションの「タイプG」というのがそれにあたるらしいので、さっそく当マンションで利用できるのかどうかを調べました。
幸運なことに、どうやら既に導入済みのようでした。
最大通信速度は、
下り664Mbps/上り166Mbps(G契約)
※なお、他社同一規格の設備設置による干渉や、設置する共用スペースから宅内までの配線距離などにより、技術規格上の速度が下り最大100Mbps/上り最大100Mbpsとなる場合もあるようですので、不安であれば契約前にauに問い合わせてみてください。
利用するためには、契約をNTTからKDDIに回線を変更する必要があります。
さらに、auひかりマンションタイプの「タイプG」は、特定のプロバイダから申し込む必要があることがわかりました。
この辺は少し制約があるのかもしれません。
プロバイダはBIGLOBE(ビッグローブ)が安心
auひかりマンション「タイプG」のサービスを利用できるプロバイダは以下のとおりです。


@nifty、au one net、BIGLOBE、So-net、コミュファnet の5つのプロバイダが対応しています。
この中から最終的に、BIGLOBE(ビッグローブ)に決めました。
どのプロバイダも、キャンペーンやサービスは魅力的ですが、BIGLOBEは回線を提供するKDDIのグループ会社であり、プロバイダ業界の老舗でもあるという信頼感が最も大きな理由です。
実は、BIGLOBEはNECのプロバイダ事業だとばかり思っていましたが、現在はKDDIグループの一企業となっています。
申し込みから利用まで
詳しい流れは、以下をご覧ください。
申し込みから工事日までに何度かSMSでメッセージをやり取りしましたが、概ね、この流れで進むことができました。
工事担当者の方が設置するのは、G.fast用のモデムとホームゲートウェイの2台です。(機器は事前に送付されます)
Wifiルーターは自分で用意し、電話サービスは使用しなかったため、回線切り替え工事は30分程度で終わりました。
以下は、「VDSL方式」で接続していたときと「G.fast」に切り替えた後の通信速度を比較しました。




切り替え後は下りが約7倍、上りが約2.5倍と大幅にスピードアップしています。
最初に計測したときは感激しました。
新築マンションの『光配線方式』には到底及びませんが、これくらいの速度であれば安定したインターネット環境といえるでしょう。
まとめ
古いマンションや集合住宅で、各戸までの配線が電話(メタル)回線であれば「VDSL方式」となり、フレッツ光などの1ギガサービスを契約しても、通信速度は最大100MBまでに制限されてしまいます。
全戸に光ファイバーを敷設して『光配線方式』することが難しい場合は、メタルの配線をそのまま利用できる、auひかりマンションの「タイプG」に切り替えることで通信速度が大幅にアップします。
申し込めるプロバイダは限定されますが、同じKDDIグループで信頼できるBIGLOBEがおすすめです!

