ご機嫌いかがですか?
長年にわたって溜まってしまったモノを前にして、「いつか整理しなきゃ…」と思いつつ、結局手つかずのまま、と心がつかえていませんか?
特に、溜まりに溜まった写真やアルバム、そして郵便物や書類。

我が家のその量たるや、半端な数ではなかった…。
思い出が詰まったものだからこそ、捨てるに捨てられず、かといってすべてを残しておくスペースもない。
そして自分たち家族がこの世を去ったあと、これを誰が処分するんだ、と考えると…
今回は、そんなジレンマを解消するための具体的な整理・処分方法をご紹介します。
1. 無理のない計画を立てる
まず大切なのは、いきなり片づけを始めないことです。
行き当たりばったりで始めるのではなく、ゴールを明確にすることでモチベーションを保つことができます。
目標を決める
「まずは写真アルバムを3冊だけ」「今週中に古い郵便物をダンボール1箱分」など、具体的な目標を設定します。
昔の写真や手紙などを見始めるとついつい懐かしい思い出が蘇ってきて、作業がまったくはかどらなくなった、なんて経験が誰にでもありますよね。
長い期間の作業になり飽きてしまっては元も子もないので、短期的な処分目標数を決めておきます。
時間を確保する
週末の2時間、平日の30分など、まとまった時間を確保してみます。
無理のない範囲で継続することが成功の秘訣です。
2. 処分する際の重要な注意点
個人情報の保護
写真は人物が写っていることが多いため、個人情報に特に注意が必要です。
また、郵便物には住所、氏名、電話番号などの個人情報が記載されているため、そのまま捨てるのは危険です。
ほとんどの自治体では「燃えるゴミ」として処分できますが、そのまま捨てるとプライバシーが守られません。
シュレッダーを使うか、ハサミで細かく裁断、油性ペンで塗りつぶすなど、個人が特定できない状態にしてから処分します。


無理はしない
長い時間の作業は気力も肉体もとても疲れます。
一人で抱え込まず、できるのであれば家族や信頼できる人と分担しながら進めましょう。
他の人との作業では判断が食い違ったりするかもしれませんが、処分に迷うものは無理に結論を出さず「迷う箱」に一時的に保管しておいて、後日改めて見返すのも一つの手です。



家族間で迷ったら、しばらく日を置いてから見返すといいかも!
3. 写真の仕分けとデータ化
いよいよ本題です。
思い出と向き合いながら、心を決めて進めましょう。
分類する
「残す」「捨てる」「迷う」といった分類用の箱を事前に準備しておくとスムーズです。
用意した箱を使って、写真を3つに分類します。


「残す」
本当に大切な写真、見返すことが多い写真を選びます。
家族の集合写真、子供の成長記録、特に心に残っている風景などです。
「捨てる」
似たような写真、ブレている写真、誰が写っているかわからない写真などは思い切って処分します。
「迷う」
今すぐ判断できない写真は一時的にこの箱へ。
後日、気持ちに余裕があるときに再度見直します。
デジタル化する
残すと決めた写真の中から、さらに厳選してデータ化を検討しましょう。
スマホアプリを活用する
「Adobe Scan」や「Microsoft Lens」といった無料アプリを使えば、スマホのカメラで手軽に写真をスキャンできます。
画質はスマホのカメラ解像度によりますが、手軽にデータ化できるのが魅力です。
スキャナーを使う
より高画質で保存したい場合は、家庭用スキャナーを使ったり、専門業者に依頼したりする方法もあります。


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- 写真を1枚ずつ挿入してス キャンするだけ。
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フイルム(原版)のデータ化
ネガやポジといったフィルムは、フィルム専用スキャナーか大手カメラ量販店またはネットでのデータ化サービスを利用することができます。


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アルバムの処分
バラの写真とアルバム写真の整理と処分には大きな違いがあります。
写真は単なる一枚の紙ですが、アルバム(それも昭和の豪華な装丁のもの)は書籍ですよね。
大型で台紙状のがっしりした作りのアルバムは、生涯に渡り家族の歴史として残しておくためのものとして設計されています。
若かりし頃に、これを処分する(捨てる)ときのことなど想像もしないで、無邪気にアルバム作りに励んでいました。
しかも、見返すことなんかほとんどかったのに、いつの間にか大量に溜まっています。
昭和のアルバムの経年劣化は激しい
そして、いざ処分しようとなったときにその大変さに気づきます。
まず、アルバムの中身は個人や場所が特定できる情報が写り込んでいる写真がメインであるため、一冊丸ごとを古本のように捨てるのは危険だということ。
つまり、その写真を台紙から剥がさなければならないのですが、ここに思わぬ落とし穴がありました。
写真を簡単に貼るために台紙に最初から塗られている、あのシール状の粘着剤が曲者で、何十年という経年劣化によりベッタリと密着して簡単には剥がせなくなってしまっていました。
そして、写真を保護するために台紙の上をカバーしているポリエチレンのフィルム。
これがぴったりと写真に張り付いている場合があり、とても厄介です。
写真の上からも下からもがんじがらめになっていて、ぐちゃぐちゃ状態です。
分別ゴミとしてのアルバム
また、昭和のようにゴミを細かく分別する必要がなかったときは処分も簡単で良かったのですが、現在ではそれが許されません。アルバムは意外に複雑な素材構成です。
- 表紙:ビニール化粧張り板紙
- 目次:普通用紙
- 台紙:ビニールカバー+板紙
- 写真:印画紙
- 場合によってはネガ袋:ポリエチレン
- ファイル留め具:金属またはプラスチックリスト
これらをアルバム一冊ずつすべて分解し、分別して捨てる必要があるんですね。
正直に言うとそのまま縛って捨てたいくらいですが、根がマジメ(気が弱い?)なものですからそれはできませんでした。
4. 郵便物・紙書類の整理と処分
不要な郵便物や書類は、放っておくとどんどん溜まってしまいます。
寂しいですが、年賀状や手紙、ハガキの文化もなくなりつつあります。残しておいても見返すことはほとんどありません。
我が家ではこれを機会に、今までにいただいたほとんどの年賀状を処分しました。
必要な書類を見極める
契約書や保証書、保険証券、年金関連、確定申告関連の書類など、一定期間の保管が必要なものだけを残します。
個人情報を守る
年賀状や手紙、ダイレクトメールなどは、個人情報に注意して処分します。
住所や氏名、銀行の口座番号などが記載された郵便物は、シュレッダーにかけるか、マジックで塗りつぶしてから細かく破って捨てましょう。
データ化も検討する
必要な書類でも、紙ではなくデータで管理できるものはスキャンして保存しておくと、物理的なスペースを節約できます。
5. おわりに:整理がもたらす心のゆとり
大量の写真や郵便物を整理することは、人生を振り返り、これからの老後をどう生きるかを見つめ直す時間でもあります。
片付けたスペースには、新しい趣味や学びの時間が生まれるかもしれません。
この記事が、あなたの片付けの第一歩を後押しするきっかけになれば幸いです。